2009年5月31日日曜日

栗本薫 死去

実は彼女の作品は一冊も読んだことがないのだが、もちろん『グイン・サーガ』や『魔界水滸伝』のタイトルくらいは知っている。
今で言うライトノベルのはしりなのかなとも思うが、日本SF会の巨匠であることに間違いはあるまい。
まだ56歳ということで、ファンの方々はさぞかし残念だろう。

ところで不謹慎かもしれないが、訃報を耳にしてファンの多くの方の頭にまずよぎったのは、「『グイン・サーガ』の続きはどうしてくれる!?」といったことではないだろうか。
僕も、手塚治虫が亡くなったときには「『火の鳥』の最後は!?」と思ったし、石ノ森章太郎が亡くなったときには、「『サイボーグoo9』の続きどうすんだよ!?」と思ってしまった。
亡くなった先生方には申し訳ないが、ファンであればあるほど、「なんで生きているうちに完結してくれなかったんだ」という責める気持ちがどうしても湧き上がってしまうのはしょうがないのではないか。
あの作品の結末はどうだったんだろう?というもどかしい思いは、きっと死ぬまで消えない。

作家の立場からすれば、まあいろいろな事情があるのだろうし、ファンの勝手な言い草かもしれないが、やはり一度始めた連載はきっちりと完結して欲しい。
いってしまえば、どうせだらだら長く続けてもいいことはないのだから、さっさと終わらせろということ。
特に年配の作家の方々は、さっさとけりをつけて欲しい。
こっちも心配でたまらん。

とはいえ、最近の永井豪や松本零士のような、どうしちゃったの?って感じの展開をされると、かつての大ファンだった身からするとつらいものがあるのだが。
そうなる前にけりをつけて欲しい。
作家の側もそうすることにやぶさかではないと思う。
スティーヴン・キングも交通事故にあってダーク・タワーシリーズの早期完結を決心したそうだし。
今一番心配なのは、やっぱり三浦建太郎の『ベルセルク』と夢枕獏の『餓狼伝』だな。

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