2009年5月6日水曜日

浅草~上野~湯島 その1

上野で乗り換えた銀座線が浅草駅に着いたときにはもう昼時だった。

鰻の蒲焼は江戸発祥の料理であり、江戸時代には浅草川とも呼ばれる隅田川では鰻がよく獲れ、江戸前の鰻と呼ばれ人気があったようだ。
今でも浅草には鰻屋が多い。

今回は、隅田川に架かる駒形橋の西の袂にある『前川』にお邪魔した。
http://www1.odn.ne.jp/unagimaekawa/

『前川』は江戸の文化・文政期創業の、実に約200年もの歴史を持つ老舗の鰻屋である。
予約はしていなかったが、幸い三階の席を取れた。
残念ならが窓際ではなかったが、隅田川を眺めながら飲むビールは格別であった。



たれは比較的甘みが少なく、しょっぱさが勝っている。
ご飯はかなり柔らかめだ。
肝心の鰻はというと、表面はかりっと香ばしいが中はふわっとしてとろけるようであり、さすがに老舗だけあって理想的な蒸し加減焼き加減である。
実に旨い。
注文したのは一番安いうな重であったが、鰻が小さいという感じはしない。
昼食にはこれで十分だ。
これ以上というなら、う巻やうざくなど他の一品料理を追加したいところだ。
もっともそうするとさらに酒もということになり、結構な金額になってしまう。
時間と財布に余裕があるときに、個室でいろいろ注文して隅田川の流れを眺めながらのんびり楽しみたいものだ。

この日は五連休の初日ということで、浅草はさすがにすごい人手でにぎわっていた。
浅草寺の雷門から宝蔵門に至る仲見世はまさに人の海である。

いや、ほとんどの人が本堂にゆるゆると向かっているので、さながら人の河といったところか。
仲見世もいまやウェブサイトが完備されていて、各店舗が検索できるようになっている。
http://www.asakusa-nakamise.jp/

浅草寺は、推古天皇の時代、西暦628年から続く都内最古の寺院である。
本尊は1面2臂の聖観音だ。
http://www.senso-ji.jp/

「浅草寺」は「せんそうじ」と読む。
寺院の名前は音読みするのが原則だ。
仏教は中国から伝来したものなので、寺院の名前を読むときは中国での発音に近い音読みが用いられるということのようである。
清水寺は数少ない例外である。

一方、神社の名前は原則的に訓読みである。
浅草寺の本堂の東側にある「浅草神社」は「あさくさじんじゃ」と読む。
神社に祭られている神は日本古来のもの、もしくは人名なので、元来の日本語の発音である訓読みが用いられるようだ。

さて浅草寺、残念ながら現在本堂は大営繕の最中であるが、お参りはできる。


今回は残念ながら行けなかったが、浅草寺からは古式豊かな遊園地「花やしき」も間近である。

風に乗って遊具の作動音と共に聞こえてくる嬌声が楽しげである。

仲見世だけでなく、浅草寺の周囲の路地にはいろいろ趣のある店が軒を連ねており、実に楽しい。






金のうんこだなどと言われ建築当初は散々な悪評であったが、今ではすっかり浅草のシンボルとして定着してしまったフィリップ・スタルク設計の「フラムドール」を掲げるスーパードライホールを望む吾妻橋の袂には、日の出桟橋までの水上バスの乗り場がある。

のんびりと隅田川クルーズとしゃれ込みたかったのだが、考えることはみな同じで、結構な行列である。
あきらめて銀座線で上野に向かうことにする。

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